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オーナーと後継者の意見がぶつかり、事業承継がなかなか進みません。この2人の意見の相違を解消するためにできることを教えてください。

 

オーナーと後継者が共に、各々の役割の違いを認識し、お互いを尊重しあうことが重要です。

1.オーナーから見た事業承継、後継者から見た事業承継
(1)オーナー側の意見
・自分が築き上げてきたものを任せるには、まだまだ不安な面があります。
・自分がしてきたのと同じような苦労をしていないのに口ばかり達者で、生意気に感じられます。

(2)後継者側の意見
・既に別の会社でサラリーマンをしていて、社長になりたくありません。
・社長として会社を経営していく自信を持てません。
・先代が引退した後も口うるさそうで、面倒です。

2.ギャップを埋めるために
(1)オーナー側に求められること
会社の未解決問題をそのままにしない(大きな借金の存在は明らかにしておく等)ことや兄弟姉妹・親族争いの火種を消し切ること等によって、スムーズな事業承継のための環境をつくる必要があります。

(2)後継者側に求められること
独自色を出すことに固執せず、先代がつくり上げてきたものに対して敬意を表すことが大切です。また、一人で突っ走るのではなく、重要な問題は先代に相談するといいでしょう。

後継者への代表の座の移転は、どのように行えばいいでしょうか?

 

先代社長と後継者が併走できる期間を設けるといいでしょう。

1.いきなり全権を移譲すると混乱の原因
代表の座の移転とは、代表取締役としての地位を移転することをいいます。新しい経営者の大半は、新しいことをやりたがり、独自色を出そうとします。したがって、いきなり全権を移譲すると、社内・社外共に混乱を生じさせる原因となってしまいます。

2.先代社長と後継者が併走できる期間が必要
社内外の混乱を避けるには、先代社長と後継者が併走できる期間を設けましょう。先代社長がフォローすることによって、代が替わっても、社員は安心して働き続けられ、取引先も安心して付き合いを続けることができるようにするのが、望ましいのです。
そのために、なるべく早く事業承継を行う必要があります。先代が高齢になって機動的に動けなくなってから事業継承を行っても、後継者をしっかりとフォローすることは不可能です。また、事業継承を行う前に、社長が認知症を発症してしまった場合には重要な業務がストップし、廃業に追い込まれるという最悪の事態も考えられます。

後継者を育てる上でのポイントは、何かありますか?

 

後継者が決定すると、次には後継者としての教育を施しましょう。後継者は、経営者としての能力や自覚を築き上げる必要があります。後継者教育をする上でのポイントは、「後継者を社内で育てるか、社外で育てるか」、「後継者に必要な資質」、「オーナーの役割」、「後継者にできること」です。

1. 後継者を社内で育てるか、社外で育てるか
(1)社内で育てる
社内で後継者を育てるのは困難だと、一般的にはいわれています。身内であるがゆえに甘やかしてしまったり、逆に厳しくしすぎてしまったりするからです。また、将来は社長となる社長の子供に厳しく指導できる従業員は、ほとんどいません。社内が混乱する原因となるため、避けるべきでしょう。
ただし、社外で人に使われる立場では習得できない知識や経験を積むため、自社で社長の背中を見ながらマネジメントを覚えることが効果的である場合もあります。
(2)社外で育てる
社外で育てるのであれば、厳しいといわれる会社で、自社と同規模の会社で育てるのが望ましいでしょう。大企業と中小企業とでは、組織における個人の役割が全く異なるためです。自社と同規模の会社ならば、後継者にとって将来のためにとてもいい勉強になります。
ただし、このような条件を満たす会社であっても、関連会社や取引先等の会社は避けるべきです。後継者がちやほやされ、調子に乗って勘違いしてしまっては、取り返しがつかないからです。
(3)社長の背中を見せて育てる
社長業の辛い側面ばかりを見せてはいないでしょうか。楽しい側面、やりがいのある仕事だという側面を、幼い頃から見せておくことが、後継者教育の第一歩となります。

2.後継者に必要な資質
(1)カリスマ性
確固たる経営理念を抱き、それを言葉で伝えることが大切です。
(2)マネジメント能力
従業員のマネジメントができることが重要です。社長は、いかに自分自身が動かずに済むかを考えなければなりませんが、自分では動かず楽をすることばかり考えるのとは違います。
(3)リスクマネジメント
危険を察知する能力が、経営者には要求されます。さらに、その危険に対して適切に対応しなければなりません。企業には、さまざまなリスクが潜んでいます。
(3)交渉力
社長は、営業交渉等の外部に対する交渉や社内交渉等、あらゆる場面で交渉力が求められます。したがって、円滑な人間関係を築ける能力が欠かせません。

3.オーナーの役割
(1)後継者の選択は、早い方がうまくいくことが多い
仕入・製造・販売というような商売から、人事労務・税務会計等の管理業務に至るまで、経営者には幅広い知識と経験が必要です。また、会社業務の全体像を把握するには、会社の各部署を経験する必要もあるでしょう。このようなことから、できるだけ早く後継者を決めて、後継者教育を施すのが望ましいでしょう。
後継者を選ぶ決断がなかなかできずに決断を先延ばしにした場合には、後継者争いで社内が二分してしまい、会社が衰退してしまうこともありますので、注意が必要です。
(2)後継者には教育係(メンター)をつける
後継者には教育係をつけ、早い時期から仕事についての考え方や経営者としての見方を学ばせるといいでしょう。後継者自身が教育係をつけるとは考えにくいため、経営者が教育係をつけてあげる必要があります。また、最大の難題は、後継者と幹部社員との人間関係を良好に保つことだといえますが、幹部社員を後継者の教育係とすることで人間関係がうまくいく例が、しばしば見受けられます。

4.後継者にできること
(1)総合的な人間力を磨く
高学歴の後継者が多く、このような場合は一般教養を身につけていると思われますが、経営に求められるのは、何よりも人間力です。人間力は人間的魅力ともいい換えられ、思いやり・誠実性・包容力・行動力・統率力・忍耐力・決断力・創造力・バイタリティ・礼儀作法等、数値化できないさまざまなものが含まれています。
(2)初代オーナーの苦労を知る
初代オーナーの苦労を知り、そのおかげで現在の自分があると理解することが大切です。また、初代オーナーと苦労を共にしてきた社員の人々への尊敬の念を忘れてはいけません。
(3)経営者は孤独、外部セミナー等で経営者仲間をつくる
同じ立場にある2代目経営者仲間をつくって、悩みを相談したり、社長の心得等についてのアドバイスをもらったりすることができるような環境を築くことが重要です。問題が解決されなかった場合にも、同じような悩みをもつ仲間がいると知ること自体が、孤独感を和らげてくれます。勉強会な懇談会等の集まりに積極的に参加することにより、このような仲間をつくるといいでしょう。

自社株等の所有権を、後継者にどのようにして移せばいいでしょうか?

 

「生前贈与」・「親子間売買」・「相続」の3つの移し方があります。どの移し方を選ぶかによってかかる税金が異なりますので、できるだけ早めの検討と対策が必要です。

1.知っておかなければならない“税金”のこと
事業承継のためには、税金のことも知っておくことが必要です。優良な非上場会社の株式評価額は、思った以上に高額となっていて相続税が高いということが想定されます。相続税の最高税率が50%であることから、“相続が3代続くと財産がなくなる”としばしばいわれます。ただし、これは生前に対策を何も行わなかった場合のことであり、早めの対策を行うことによって財産をより多く残すことができます。相続税が原因で会社を潰さないようにするためにも、早めの対策を行いましょう。
その対策の一つとして、後継者に自社株や事業用資産の所有権を移転するという方法があります。移し方には主として次の3つがあり、それぞれかかる税金の種類が異なります。
生前贈与:贈与税が課せられます(税率10~50%)。
親子間売買:譲渡所得税・住民税が課せられます(原則税率20%)。
相続:相続税が課せられます(税率10~50%)。

2.自社株の移し方のポイント
生前贈与・親子間売買・相続という自社株の移し方を考える上でのポイントは、次の通りです。

(1)生前贈与
贈与は、「相続税の負担」と「贈与税の負担」とのバランスを考えた上で実行しなければなりません。また、生前贈与には「暦年課税制度」による贈与と「相続時精算課税制度」による贈与の方法があります。事業承継を考えた場合には、将来の値上がりが予想される自社株については相続時精算課税制度を選択すれば、税金上の効果が大きく得られることがあります。
ただし、生前贈与は、特別受益として遺留分減殺請求の対象となりますから、後継者以外の子供に対しては、その他の財産を手当てするというような配慮を行うことが必要です。
生前贈与のメリット:後継者は贈与税の資金調達だけで済みます。
生前贈与のデメリット:生前贈与は、特別受益として遺留分減殺請求の対象となります。

(2)親子間売買
親子間売買は、適正価格で行われれば、生前贈与のように遺留分減殺請求の対象とはなることはありませんので、その意味での親族間の争いは避けることができます。
しかし、売買には購入資金が必要となります。親子間では相続税評価額で売買する場合が多く、その場合、後継者に相続税評価額相当の手持ち資金がないときは、その資金を調達する必要があります。
また、売却側であるオーナーにとっては、取得価額よりも売却価額が大きいなら、売却益に対し、原則として20%の譲渡税(所得税15%・住民税5%)がかかります。
親子間売買のメリット:適正価額での売買なら、遺留分減殺請求の対象となりません。
親子間売買のデメリット:後継者は、株式の購入資金を調達する必要があります。

(3)相続
相続での取得の場合、遺言書等によって後継者に自社株や事業用資産を相続させる旨を決めておかない限り、遺産分割協議が必要となって、後継者以外の相続人にもこれらの資産を取得する権利が生じてしまいます。したがって、この場合には、遺留分を考慮した上で遺言書を作成することが望ましいといえます。
なお、相続税の税率は、最高50%の超過累進税率になりますので、ご自身の相続税をきちんと認識した上で、生前贈与・親子間売買・相続のうちのどの方法が税金上、有利なのかを把握しておかなければなりません。
相続のメリット:遺産総額が相続税の基礎控除額以下であれば、税負担なく取得できます。
相続のデメリット:遺言がなければ、遺産分割協議成立まで株主が確定しませんので、株主総会の運営に支障をきたす可能性があります。また、遺言がなければ、経営に関与していない相続人に株式が分散し、後継者が安定した経営権を確保できない可能性があります。さらに、相続が開始した日の直前期の決算数値を基に株価が計算されますので、直前期の業績がよかった場合、株価が高く計算されて相続税の負担が重くなることがあります。

3.自社株の評価額が一番低いときに移すのがポイント
自社株の評価額は、そのときの会社の業績や過去の利益の蓄積(純資産額)によって大きく違ってき
ます。すなわち、移転する時期により評価額が大きく異なりますので、なるべく自社株の評価額が低
い時期に移すことが大切です。例えば、オーナーの引退に伴って退職金を支給する場合、退職金相当
額の利益が圧縮されることによって通常株価は低くなり、自社株を後継者に移す絶好の機会となりま
す。

4.納税資金を考えた対策
もう一つのポイントは、将来オーナーに万一のことがあった場合に、相続税を払えるか否かです。
相続税は、原則として現金で一括納付することになっています。自社株は一般的に換金性がないので、
いかにして相続税の納税資金を捻出するかがポイントになります。納税資金が不足するなら、会社が
自社株を買取ることや、物納・延納等も視野に入れて考える必要があります。

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