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次の各ケースで、各々の財産は日本の相続税の申告対象になるでしょうか?なお、被相続人・相続人は、共に日本国籍を有しています。 ア.被相続人である父と相続人である子は、共に日本在住。相続財産はイギリスの不動産。 イ.被相続人である父は日本在住、相続人である子はアメリカ在住。相続財産はアメリカの不動産。 ウ.被相続人である父はドイツ在住、相続人である子は日本在住。相続財産はドイツの不動産。 エ.被相続人である父と相続人である子は、共に中国在住(10年前から)。相続財産は中国の不動産。
ア~ウのケースでは各々の財産が日本の相続税の申告対象になりますが、エのケースでは申告対象になりません。
1. 納税義務者の範囲
相続税の納税義務者は、次のように区分されています(特定納税義務者を除きます)。
・居住無制限納税義務者・・・相続又は遺贈(死因贈与を含みます。以下同じ)により財産を取得した
個人で、その財産を取得したときにおいて日本国内に住所を有する者のこと。
・非居住無制限納税義務者・・・相続又は遺贈により財産を取得した日本国籍を有する個人で、その
財産を取得したときにおいて日本国内に住所を有しない者のこと。ただし、その個人又はその被相続人(遺贈した者を含みます。以下同じ)が、その相続又は遺贈に係る相続の開始前5年以内のいずれかのときにおいて日本国内に住所を有していたことがある場合に限ります。
・制限納税義務者・・・相続又は遺贈により日本国内にある財産を取得した個人で、その財産を取得
2.課税される財産の範囲
納税義務者の区分によって、課税される財産の範囲が異なります。
居住無制限納税義務者:国内・国外全ての財産に、相続税がかかります。
非居住無制限納税義務者:国内・国外全ての財産に、相続税がかかります。
制限納税義務者:国内にある財産のみに、相続税がかかります。