私の父が遺言書を残して数年前に死去し、相続人である母と私、弟の3人はトラブルなく相続できました。その遺言書には、母は金融資産1億円を、長男である私は自宅1億円を、弟は賃貸アパート1億円を相続する旨が記載されていました。トラブルがありませんでしたので、税理士に相続税の申告を頼み、相続税を算出してもらいましたが、私と弟が相続したのは不動産だけでしたので、相続税の納税資金を自己資金で準備することができず、母に立替えをお願いし、申告期限内に納税を無事に終えました。ちなみに、母と私、母と弟は、金銭消費貸借契約を締結しませんでした。その数年後に、母が死去し、母も遺言書を残していたためにトラブルなく相続できました。不動産はありませんでしたので、その遺言書は金融資産を2分の1ずつ(1億円ずつ)という内容でした。私も弟も多忙で、相続税額を分かっているつもりでしたので、相続税の申告を後回しにしていました。そして、母が死去してから8カ月が経過して税理士に頼んだ際に、父の相続税の申告時にどのように納税したのかを尋ねられました。父の相続税の申告を頼んだ税理士にその当時、母が私と弟の相続税を立替払いしているだけなので以後返済するように言われていたのを忘れてしまっていました。私と弟は、金融資産の他にこの立替金3,800万円(1,900万円ずつ)も相続財産であることを分かっていませんでした。想定していた相続税は3,340万円だったのですが、この税理士からの指摘によって立替金の計上漏れもなく、申告期限内に相続税4,480万円を納めることができました。母に立て替えてもらった際に金銭消費貸借契約を結んだ方が良かったのでしょうか?

 

Q.
 私の父が遺言書を残して数年前に死去し、相続人である母と私、弟の3人はトラブルなく相続できました。その遺言書には、母は金融資産1億円を、長男である私は自宅1億円を、弟は賃貸アパート1億円を相続する旨が記載されていました。トラブルがありませんでしたので、税理士に相続税の申告を頼み、相続税を算出してもらいましたが、私と弟が相続したのは不動産だけでしたので、相続税の納税資金を自己資金で準備することができず、母に立替えをお願いし、申告期限内に納税を無事に終えました。ちなみに、母と私、母と弟は、金銭消費貸借契約を締結しませんでした。
 その数年後に、母が死去し、母も遺言書を残していたためにトラブルなく相続できました。不動産はありませんでしたので、その遺言書は金融資産を2分の1ずつ(1億円ずつ)という内容でした。私も弟も多忙で、相続税額を分かっているつもりでしたので、相続税の申告を後回しにしていました。そして、母が死去してから8カ月が経過して税理士に頼んだ際に、父の相続税の申告時にどのように納税したのかを尋ねられました。父の相続税の申告を頼んだ税理士にその当時、母が私と弟の相続税を立替払いしているだけなので以後返済するように言われていたのを忘れてしまっていました。私と弟は、金融資産の他にこの立替金3,800万円(1,900万円ずつ)も相続財産であることを分かっていませんでした。想定していた相続税は3,340万円だったのですが、この税理士からの指摘によって立替金の計上漏れもなく、申告期限内に相続税4,480万円を納めることができました。母に立て替えてもらった際に金銭消費貸借契約を結んだ方が良かったのでしょうか?

A.
 相続税は、死去した者の財産を相続や遺贈(死因贈与を含む)により取得した場合にその取得した財産に課されるのが原則です。この財産というのは、現金、預貯金、有価証券、土地、家屋、宝石などの他貸付金(立替金)、著作権、特許権といった金銭に見積もることができる経済的価値を有する全てのもののことです。
 ご質問のケースのような親族間における金銭の貸し借りは、親族間であることから曖昧になり、返済されない場合が少なくありません。そのような場合には、相続財産に計上されず、税務調査において指摘を受ける可能性があります。したがって、継続的に返済する旨の金銭消費貸借契約書を作成するといいでしょう。なぜなら、親族間における金銭の貸し借りは税務署が注視している項目であるからです。もし、母の財産が多く、相続税率が高ければ、金銭で返済してもらうものの、ご質問者や弟に返済してもらった財産を贈与することも、選択肢の一つであると思われます。

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